底辺校で働くということ(学校もそれぞれです。パワハラ、モラハラ体験談)

底辺校 教員教育

私は地方のある県の私立高校で教員経験のある30代男性です。

この記事では、いわゆる底辺校と呼ばれる私立高校で働くことの実態を、収入編・勤務内容編・人間関係編に分けて赤裸々に語っていきます。

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収入編

 私立学校の収入源は基本的に生徒からの授業料になります。授業料の他にも校納金と国や地方公共団体からの助成金というものがあります。助成金は生徒数によって増減があります。従って、私立高校は生徒数が多ければ多いほど職員の収入アップにつながると考えてよいと思います。いわゆる底辺校と言われる学校は、概して生徒数確保に苦戦する傾向にありますから、おのずと職員への給与も低めに設定されることになります。では、私の経験をもとに実際の金額をお知らせします。

 まず、大卒初任給は15万円以上20万円以下といったところです。中小企業並みと言ってよいでしょう。それから、1年ごとに5000円~10000円の昇給があります。賞与については正に生徒数によって左右されるところであり、通常年間で基本給の3倍~4倍といったところですが、生徒数減により、カットや支給停止になる場合もあります。それから、部活動に対する手当や分掌や学年等の主任(部長)、管理職等の手当が上乗せされることになります。

 私の場合、35歳・主任(部長)なしクラス担任有り・部活動有りの条件で年収約500万円弱というものでした。人によっては、結構もらっていると感じる方もいるかもしれませんが、私はそうは思っていませんでした。なぜなら、後述しますが仕事量や休みを考えると割に合っていないと思うからです。もちろんこの金額を見て、やはり低収入だと感じる方もいるかもしれませんが、安定して不自由なく生きていける給与だけを考えれば、悪い数字ではないとの見方もできます。

勤務内容編

 次に、勤務内容についてご紹介します。まず、仕事内容は大きく分けると4つに大別されます。

 1つ目は教科に関する仕事です。それぞれの教員は自分が免許を有する教科の指導を行うわけですが、教科と言っても例えば「理科」であれば、化学・物理・生物、「地理歴史」であれば、日本史・世界史・地理などに分かれており、県立高校などではその中でも自分の主として専攻する分野を指導するケースが多いのではないかと思いますが、底辺校で生徒数が少ない学校となればおのずと教員数も限られてきますので、そういうわけにはいきません。3つや4つの分野を掛け持ちで指導するケースが多いです。そして授業は週に15~20時間程度になると思います。また、教科の仕事として定期テスト等の問題作成や次年度の教科書選定やシラバスという学習計画を作成することなどがあります。その他、年間指導計画や進度表の作成、学習指導案の作成などありますが割愛します。それから、これは私の経験した学校以外に当てはまるかどうかは知らないのですが、高校入試問題を作成するという業務も含まれていました。県立高校ならば県下で共通の問題を利用するのですが、私立高校は独自で問題を作成しなければなりません。これが結構な時間と労力を消費します。作成に1~数か月かかり、その後も改善を重ねて最終的には半年がかりといった業務になっていきます。

 2つ目はクラスに関する仕事です。私立高校は大学進学をメインとしている学校でなければ複数の学科によって構成されている場合が多いです。よって、クラスの生徒数は該当の学科が人気のある学科であれば多くなり、そうでなければ少なくなる場合もあります。実際に私の担当したクラスで最少15名、最大で40名という具合です。クラス担任の業務というのは、朝と帰りのホームルーム活動、週に1時間のロングホームルーム活動、成績処理、生徒との面談、保護者との面談、問題行動が発生した際の家庭訪問、その他雑務になります。なかでも、底辺校ならではの業務は問題行動の際の家庭訪問とそれに付随する業務です。それも、40名クラスで1度に10名近い生徒が集団で問題行動を起こすなどといった事が発生した場合全員の家に訪問することや、反省文の指導、管理職との面談のセッティング、担当セクションの教員との打ち合わせ、等々様々なことを同時多発的にこなしていかなければなりません。

 3つ目は分掌に関する仕事です。例えば、「特別活動」、「PTA」などクラス運営や学年運営以外の学校全体に関わる業務を職員で分担して行っていきます。「教務」の担当であれば、年間の行事計画を作成したり、時間割を作成したりします。「特別活動」の担当であれば、生徒会の運営をサポートしたり、部活動の管理をしたり、体育祭や文化祭の運営をサポートしたりします。分掌の仕事自体はどの学校でもそんなに大差はないと思いますが、底辺校の特徴としては分掌の主任(部長)と他の主任(部長)(例えば学年主任など)を人数の関係から兼ねなければならない場合があるということです。主任の業務というものは一定の責任を負うものですので、それを2つ兼ねるということは2倍の責任がかかってきます。仕事量も単純に増えることは当然ながら、精神的負担も2倍強いられることになります。

 4つ目は部活動に関する仕事です。なんらかの部顧問になれば部の運営と管理をしていかなければなりません。部活動の顧問というものは強制される業務ではありません。しかし、何度も述べた通り底辺校であれば、限られた職員の中で部活動の顧問を担当しなければなりませんので、やりたくなくても生徒が部活動を行うためには、誰かがやらなければならないというのが現状です。私は学生時代から部活動を専門的に行っていたので、部顧問を受け持っていました。保護者の要請もありかなり時間を割いて指導していました。時間にすれば、週に20時間以上は指導していました。また、週末には県外遠征や試合等が詰まっており、年間で30日弱は泊り込みで、20~30日は通いで遠征等に参加していました。職員の数は限られていますので、専門的な指導者を2名配置して分担して業務をこなすということはできませんでしたので、かなりハードな職務だったと言ってよいと思います。部活動は手当が出て、時給にして300円~400円です。

 以上が、一通りの勤務内容になります。この記事を書く際に簡単に頭の中で整理した程度ですので、まだまだ抜けている業務もあると思いますが、底辺校の業務のあらましを想像していただけたらと思います。

人間関係編

 昔から、「教員の常識は社会の非常識」という言葉があります。教員という職業は、いわゆる取引相手となる会社が存在しないため、他の大人社会からは隔離された環境にあるのです。そのため、独自の考え方や変わった常識が醸成され定着するのです。実際に私の勤務した学校でもそういうことはしばしばありました。私が経験した中で、理不尽だと感じた出来事をひとつご紹介します。

 私立底辺校となると、いわゆる人事異動というものがないため管理職と言われる理事長・校長・教頭・事務長などは定年退職でもない限りは変わることはありません。もちろんそれは一般の教員にも言えることですが。学校の最終決定権は校長にあり、そういう意味でトップダウンの組織と言えます。しかし、私の経験した学校では管理職の意思疎通がうまくいっておらず一般教員にとばっちりが飛んでくるのです。

 ある時に、私のクラスの生徒が問題を起こし、それがきっかけでその生徒は所属する部を退部することになりました。説明は省きますが学校のルールの下で退部となりました。当初は本人や保護者も自分のしたことを反省し納得していたのですが、それからのその生徒の学校生活は非常に荒れたものになってしまいました。私は担任として、この生徒にとっての生きがいであった部活動を取り上げてしまっては、卒業するまで荒れた心のままになってしまう。そればかりか、学校生活を続けることさえも困難になってしまう。との思いから、その生徒が部へ復帰できるよう働きかけようと決意しました。

 先ほども述べた通り、学校の最終決定権は校長にあり、部への復帰に当たって私は校長室を訪ねました。そこで、一通りの事情を校長に話し、校長も一定の理解を示してくれました。これからどのような働きかけが必要であるといったアドバイスまでしてもらい、私は言われたように行動をはじめました。その生徒を復帰させるには学校のルールを変更する必要があったため、そのための書類作成やお願いをしている所で問題が起こりました。教頭が怒り心頭だったのです。教頭から呼び出され、「勝手にわけのわからない行動をとるな、私は協力しない」と言われました。恫喝され気分を害したことを記憶しています。

 それと同時に、管理職間で意思疎通ができていないのだと気づきました。私は校長のアドバイスと指示のもとで動いていたわけですから、校長・教頭間で打ち合わせができていれば、恫喝されるわけはないと思ったからです。その後、紆余曲折ありながらも関係者が一堂に会して復帰について話し合う場を設けることができました。復帰の話自体は前向きに進んでいき、あとは職員会議にて決定を待つのみということになりました。

 しかしその席上で、またも耳目を疑う出来事が起こります。最後にということで、教頭が発言し始めたのです。「今回のここに至るまでの過程で納得できない部分があります。一教員が何の相談もなく独断で話を進めていったことは非常識であり問題がある。反省するべきです」と強い口調で言いました。私の行動をまたも批判してきたのです。私はすかさず「校長にも相談したうえで話を進めたつもりです」と返しました。しかし校長は思いもよらぬ発言をしました。「私は何も聞いていません」というのです。私は耳を疑いましたが、それ以上は何も言えずにその会議は終わりました。更に職員会議でも、生徒の復帰が認められた後、ダメ押しの私批判が展開されました。会議の最後は、「先生方の中で、嘘をついて話を進めようとする人がいます。そういうことは今後やめてほしい」という教頭の発言で閉じられました。

 私は心を打ち砕かれ、この学校は「終わっている」と感じました。このようなパワハラ・モラハラのような出来事がまかり通る世界だったのです。そして私の勤務した学校では、ご紹介したようなケースが特異なケースというわけではなく日常茶飯事の出来事です。よって他の教員も半ば諦めの境地に達し誰も反旗を翻そうとは考えていません。私はこのような人間関係の中疲弊していきました。

まとめ

今回の記事では、私立底辺校に勤務することの実際を赤裸々にお話していきました。時間がたった後のことですので、一部正確でない部分もあろうかと思いますので、あくまでも私見ということでご容赦ください。

今回の記事をまとめると、①私立底辺校の年収は並。②勤務内容は極めて過酷な可能性有③人間関係はつまずくとずっと続いてしまう。といったところです。

教員界隈の記事はまたアップしたいと思いますのでその際はチェックしてください。それでは。

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